輪島塗のお手入れの仕方 NG集

3大やってはいけない事
輪島塗のお手入れは簡単です。
前の記事で書いた通り、スポンジで洗えばいいだけなのですが、
これだけはご勘弁ください!という“NG”な使い方があります。
それが以下の3つ

- 食器洗浄機
- 食器乾燥機
- 電子レンジ
この3つには絶対に入れないでください!
①食器洗浄機

食器洗浄機をお使いのご家庭は日に日に増えており、
普及率は30%とも50%とも言われています。
かく言う我が家でも使用していますが、漆器は入れずに、分けて洗っています。
なぜ、食器洗浄機を避けて頂きたいかと言うと、
主に洗浄後の乾燥の工程にあります。
漆器は90℃を超えた辺りから色が変わり始め、
特に「黒」や「溜」といった色は白く濁った色になり易く、目立ちます。
強度も多少は落ちる為、塗の薄い漆器の場合は塗がめくれたり、剥げたりする要因ともなりかねません。
個人的には強力な水流によるダメージも気になりますが、
主な食器洗浄機のNG機能は『乾燥』です!
メーカーによっては漆器に適したモードもあるらしいので、
一度説明書を熟読されては如何でしょうか?
②食器乾燥機

食器乾燥機のNG機能は、正にその乾燥です。
よくお客様からうかがうのは
「漆器って乾燥させちゃダメなんでしょ?」
と聞かれる事があります。
それについてはまた別の機会に説明するとして、
食器乾燥機の“乾燥”とは基本的に
「温風を当てて水分を蒸発させ飛ばす」
というものです。
言ってみればドライヤーを当てているようなものです。
また、メーカーや機種によっては
「超高温による殺菌機能もあります!」
などと謳っている物もありますので、
①で説明した様に
『漆器は90℃を超えた辺りから色が変わり始め、
特に「黒」や「溜」といった色は白く濁った色になり易く、目立ちます。
強度も多少は落ちる為、塗の薄い漆器の場合は塗がめくれたり、剥げたりする要因ともなりかねません。』
という漆器の特性からすれば、極めて危険な機械ということになってしますのです。
入れるとしたら、低温のモードか、送風のみにしてあげてください。
(そういうモードがあればですが…)
③電子レンジ

以下の画像は、とあるメーカーの電子レンジの説明書から抜粋した画像です。
( 怒られたら削除します )

この様に、電子レンジ側からも「入れないで!」と伝えている訳です。
では電子レンジに入れるとどうなるか、といいますと。
まず木地が歪みます。
その歪みによって木地にヒビが入り、それに付いて行けず塗が剥がれ、
塗にもヒビが入ります。
更に、先日「電子レンジに入れてしまった」というお客様から送られて来た
輪島塗カップを見てみると(非常に残念な状態でしたが、参考になりました)
塗の色も変わってしまっていました。
また、蒔絵も変色し、所々焦げたような跡も。
やってしまった場合はどうにかなるの?
これまで、事あるごとに
「輪島塗は修理が出来ます。」
「塗り直したり、塗り替えたり、代々使い続けて下さい。」
と お伝えしてきましたが、
これらのNGをやってしまった場合はどうでしょうか。
答えは以下の様になります。
① 食器洗浄機 … 修理可
② 食器乾燥機 … 修理可
③ 電子レンジ … 修理不可
①食器洗浄機と②食器乾燥機はあくまでも表面的な問題です。
つまり、上塗りだけが変色してしまうという問題で、木地や下地には変化は殆どありません。
ですので無地の品物であれば、上塗り1回分のコストで直す事が可能です。
(装飾が入っていると、それの付け直しが必要です)
では③電子レンジはというと、芯となる木地に問題がおきます。
歪んで、変形してしまうのは勿論ですが、
実は、それが度々起きると言われています。
歪んだ形に合わせて塗り直しても、
一度電子レンジにかけた木地は塗り直した後にも歪み易く、
繰り返し動き、塗にヒビが入ったり、剥げたりしてしまうのです。
「3大やってはいけない事」と書きましたが、
一番どうにもならないのは、この「電子レンジ」です。
これだけはご勘弁下さいませ!
輪島塗についてなにかあったら
“輪島塗とはなんぞや” という事を、当HPで少しづつでもお伝えして行きたいと思っていますし、
もし、
「使ってたらこんな事があった。」
「使っている漆器を直したい」
或いは、
「こんな事が知りたい」
「あれはどんな意味があるの?」
といった疑問質問があれば是非ご来店頂き、触れて、見て、聞いて。お写真等もOKです。
工房見学にて詳しくご説明もさせて頂きます。
ご来店が難しい場合はお気軽にお問合せまでご連絡下さい。
出来るだけお答えさせて頂きますし、修理や塗り直し等の見積もりをお出しする事も可能です。
ご来店、お問い合わせ、心よりお待ちしております。