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古い漆器に思う事

ずっと使って艶が落ちてきた。直す?

 
輪島塗は直せます。
輪島塗に限らず漆器の多くは直せます。
(コストはそれぞれですが)
欠けたり、割れたり、剝げてきたりと、
使い続けるために直しが必要な場合は
勿論 直すべきですし、
直して使い続けて頂きたいというのが
多くの漆器に関わる人間の願いだと思います。
 
 

時間を巻き戻す直し

 
直すと新品同様に直ります。
焼き物の場合は「金継ぎ」という技法で直し、
その直した所が景色となって
それがまた良い味を出して器に趣が生れます。
では
輪島塗の場合はどうかというと。
 
直した事が判らない程に
新品同様に直す事が可能です。
 
欠けていても、割れていても、剥げていても、
元通り、或いは
違う色に塗り替えたり、蒔絵や沈金で模様を追加したりも可能です。
 
直す前の状態にもよりますが、
表面的なキズや極小さな欠け程度であれば
購入時の2~3割程度のコストで
元の美しさを取り戻せます。
 
 
 

すぐに直すべき物とそうでもないもの

 
直した後によく思うのは
「直す前に写真撮っておけばよかったな」
「before after 分かるような記録とっておけばよかった」
と言う事をよく思います。
 
お椀やぐい吞み、銘々皿といった日常使いの器は
10年に一度くらい塗り直すと
綺麗なままずっと使い続けることが出来るので
私としてもオススメなのですが、
飾る物、大きい物、普段手で触れない物の場合は
ちょっとだけ考えてみて欲しいのです。
 
 

新しくする事は出来ても、古くする事は出来ない
 
先に述べたように、
輪島塗の直しは時間を巻き戻す様な
新品同様の状態に直します。
それはつまり 
100年前に仕立てた物も今日買ってきた物も
パッと見では判らないという事です。
 
漆器は紫外線によって艶が無くなってきたりします。
少しくすんだ様な「古い物だな」と一目で分かる様になってきます。
 
最近頓に思うのは
「新しくする事は出来ても、古くする事は出来ない」
と言う事を思います。
思うようになりました。
 
持ち主の想い、歴史、思い出et cetera
みすぼらしい程でなければ
そういった時間の経過を伝えるのも漆器の良さだと思います。
 
お直しをする前に、
少しだけ物を見つめて、
そういった歴史に、初めて手に取った時に
想いを馳せてみるのも良いのではないでしょうか。
 
 
 
 

最後にお仕事の話を
 
思い出の品はそのまま残して、
同じ品物を新たに作る事も可能です。
「保存用」と「日常用」といった所でしょうか。
更に「貸し出し用」とかも?
お気軽にお問い合わせくださいませ!!
 
 

輪島塗について気になったら

 
“輪島塗とはなんぞや” という事を
少しづつでもお伝えして行きたいと思っています。
もし、
「こんな事が知りたい」
「あれはどんな意味があるの?」
といった疑問質問があれば是非ご来店頂き、
触れて、見て、聞いて。お写真等もOKです。
工房見学にて詳しくご説明もさせて頂きます。
 
ご来店が難しい場合は
お気軽にお問合せまでご連絡下さい。
出来るだけお答えさせて頂きます。
 
ご来店、お問い合わせ、心よりお待ちしております。

“古い漆器に思う事” への1件のコメント

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